野球のホールドとは?条件やセーブとの違い、記録まで徹底解説

野球 ホールドとは

野球中継を見ていると、「ホールド」という言葉を耳にすることがありますが、その正確な意味や記録される条件を詳しくご存知でしょうか。

試合の勝敗を左右する重要な役割を担う中継ぎ投手の活躍を評価するために生まれたこの記録は、現代野球をより深く楽しむ上で欠かせない知識の一つです。

この記事では、ホールドが成立するための具体的なホールド条件、特に点差との関係や、抑え投手に記録されるセーブとホールドの違いを分かりやすく解説します。

さらに、この記録が日本プロ野球でいつから導入されたのか、選手の総合的な評価指標となるホールドポイントとは何か、そして日米の歴代ホールド記録にも触れていきます。

この記事を読めば、中継ぎ投手のすごさや試合の重要な局面がより一層面白くなるはずです。

当記事のポイント
  • ホールドが記録される具体的な条件がわかる
  • セーブやホールドポイントとの関係性が理解できる
  • 日本とメジャーリーグの歴代記録を知ることができる
  • 中継ぎ投手の重要性への理解が深まる
目次

まずは基本から!野球のホールドとは?

速報BASEBALL徹底解説
速報BASEBALL徹底解説
  • ホールドが成立するためのホールド条件
  • ホールド条件で重要な点差のルール
  • 似ているようで違うセーブとホールドの違い
  • 中継ぎ投手の評価指標ホールドポイント
  • ホールドが記録されるようになったのはいつから?
  • チームが負けてもホールドは付く?

ホールドが成立するためのホールド条件

ホールドは、試合の途中で登板し、チームのリードを守り抜いた中継ぎ投手に与えられる記録です。

この記録が成立するためには、まず全ての投手が満たすべき4つの共通条件があります。

4つの条件
  1. 先発投手、勝利投手、敗戦投手のいずれでもない
  2. セーブが記録されていない
  3. 自チームの最終回の3アウト目を取った投手(交代完了投手)ではない
  4. 1アウト以上を取る

これらの共通条件を満たした上で、さらに「リードしている状況」もしくは「同点の状況」で特定の条件をクリアする必要があります。

リードしている場面では、セーブの条件と似た状況で登板し、リードを保ったまま降板することが求められます。

一方、同点の場面で登板し、失点を許さずに降板した場合や、在籍中にチームが勝ち越してそのリードを保ったまま降板した場合にもホールドが記録されるのです。

このように、ホールドは試合の重要な局面を任され、勝利への流れを繋いだ中継ぎ投手の貢献度を客観的に示すための大切な指標と言えます。

ホールド条件で重要な点差のルール

ホールドが記録される条件の中でも、特に分かりやすいのが点差に関するルールです。

これはセーブが記録される条件に準じており、リードしている場面で登板する投手にとって重要な基準となります。

具体的には、以下のいずれかの状況で登板し、1イニング以上を投げてリードを保ったまま降板するとホールドがつきます。

自チームが3点以内のリードで登板する

この「3点以内」という点差は、最も一般的なホールドのシチュエーションです。

1点差や2点差はもちろん、3点差の場面も含まれます。例えば、5-2でリードした7回裏から登板し、1イニングを無失点に抑えて降板すれば、ホールドが記録されるわけです。

また、点差に関わらず「迎える2人の打者に連続ホームランを打たれたら同点または逆転される場面」での登板もホールドの対象です。

例えば、4点リードでノーアウト満塁の場面などがこれに該当します。

点差が開いていても、一打逆転のピンチで登板し、リードを守り切る投手の働きも正しく評価される仕組みになっています。

似ているようで違うセーブとホールドの違い

ホールドとしばしば比較される記録に「セーブ」があります。

どちらもリードを守った救援投手に与えられる記録ですが、その役割には明確な違いが存在します。

最も大きな違いは、セーブが「試合の最後を締めくくる投手(クローザー)」にのみ記録されるのに対し、ホールドは「試合の途中でリードを守る投手(セットアッパーなどの中継ぎ)」に記録される点です。

つまり、9回裏(または最終回)の3アウト目を取って試合を終了させた投手にはセーブがつく可能性があり、それ以前の回にリードを守って降板した投手にはホールドがつく、と考えると分かりやすいでしょう。

そのため、1試合でセーブが記録される投手は最大1人ですが、ホールドは条件を満たせば複数の投手に記録されることがあります。

例えば、7回をA投手、8回をB投手がそれぞれリードを守って投げきった場合、両者にホールドが記録されるのです。

ホールドはセーブという指標だけでは測りきれない中継ぎ投手の貢献を評価するために生まれました。この二つの記録の違いを理解することで、投手陣のチームプレーや監督の継投策の意図をより深く読み解けるようになります。

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中継ぎ投手の評価指標ホールドポイント

ホールドと密接に関連する指標として「ホールドポイント(HP)」があります。

これは、中継ぎ投手の総合的な貢献度をより分かりやすく評価するために考案された日本プロ野球独自の指標です。

ホールドポイントは、以下の非常にシンプルな計算式で算出されます。

ホールドポイント (HP) = ホールド数 + 救援勝利数

救援勝利とは、リードされたり同点だったりする場面で登板した投手が、降板するまでの間に味方チームが勝ち越し、そのまま勝利した場合に記録される勝利のことです。

ホールドはリードを守る働きを評価する記録ですが、時には同点の厳しい場面で登板し、味方の逆転を呼び込む好投を見せる投手もいます。

そうした「勝利に繋がる投球」も合わせて評価するのがホールドポイントの目的です。

現在、日本プロ野球の「最優秀中継ぎ投手」のタイトルは、このホールドポイントが最も多い選手に贈られます。

そのため、シーズン終盤になると、各球団の中継ぎエースたちのホールドポイント争いも熾烈になり、ペナントレースの行方と共に注目されるポイントの一つとなっています。

ホールドが記録されるようになったのはいつから?

ホールドという記録は、野球の歴史の中では比較的新しい指標です。

リリーフ投手の分業化が進んだメジャーリーグで、抑え投手(クローザー)だけでなく、試合中盤の重要な局面を担う中継ぎ投手(セットアッパー)の貢献度を正しく評価する必要があるという考えから、1986年にアメリカで考案されました。

日本プロ野球(NPB)では、その10年後である1996年にパシフィック・リーグが初めて公式に採用しました。

これが、日本におけるホールドの歴史の始まりです。

その後、しばらくはパ・リーグ独自の記録でしたが、セ・パ交流戦が始まったことをきっかけに記録の統一化が図られ、2005年からセ・リーグも採用し、両リーグ共通の新しい規定で運用されるようになりました。

ちなみに、2004年までセントラル・リーグでは「リリーフポイント」という独自の指標が用いられていました。

このように、ホールドは時代の変化と共に確立された記録であり、今では中継ぎ投手の価値を示す上でなくてはならない存在となっています。

チームが負けてもホールドは付く?

野球の記録には少し不思議に感じられるルールもありますが、「チームの最終的な勝敗」と「ホールドの記録」の関係もその一つです。

結論から言うと、ホールドの条件を満たして降板した後にチームが逆転負けを喫した場合でも、その投手のホールドは記録されます。

ホールドは、あくまで「その投手がマウンドにいた時点で与えられた役割を果たしたかどうか」を評価する記録です。

例えば、8回に1点リードの状況で登板した投手が、1イニングを無失点に抑え、リードを保ったまま9回の投手へバトンを繋いだとします。

この時点で、この投手はホールドの条件をクリアしています。

しかし、その後に登板した9回の投手が打たれて逆転サヨナラ負けをしてしまったとしても、8回を投げた投手の「リードを守った」という事実が消えるわけではありません。

そのため、彼のホールドは有効な記録として残るのです。

これは、個々の投手の責任範囲を明確にするためのルールであり、チームの勝敗とは独立して、中継ぎ投手の働きを正しく評価するための重要な考え方に基づいています。

記録で深掘り!野球のホールドとは?

イメージ:大谷翔平投手
イメージ:大谷翔平投手
  • 日本プロ野球の歴代通算ホールド記録
  • NPBのシーズン最多ホールド記録
  • メジャーリーグでのホールドの扱い
  • MLBの歴代通算ホールド記録
  • まとめ:野球のホールドとは中継ぎ投手の勲章

日本プロ野球の歴代通算ホールド記録

日本プロ野球の歴史において、数々の中継ぎ投手が勝利のために腕を振り続けてきました。

その中でも、通算ホールド記録の上位に名を連ねる投手たちは、まさに「鉄腕」と呼ぶにふさわしい存在です。

2024年シーズン終了時点で、歴代の頂点に君臨しているのは、元北海道日本ハムファイターズの宮西尚生投手です。

長年にわたりチームのブルペンを支え続け、前人未到の400ホールドを超える偉大な記録を打ち立てています。

以下は、日本プロ野球における通算ホールド記録のランキングです。(2024年シーズン終了時点)

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順位選手名ホールド数
1宮西尚生412
2山口鉄也273
3浅尾拓也200
4S.マシソン174
5又吉克樹173
6益田直也172
7五十嵐亮太163
8藤川球児162
9青山浩二159
10増井浩俊158

この記録は、長期間にわたって安定したパフォーマンスを維持し、監督からの信頼を勝ち取り続けた証と言えるでしょう。

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NPBのシーズン最多ホールド記録

通算記録がキャリアを通じた安定感の証明である一方、シーズン記録は、一年間を通してどれだけ圧倒的なパフォーマンスを見せたかを示す指標です。

特に、チームが優勝争いを演じた年には、絶対的なセットアッパーが驚異的な記録を打ち立てる傾向があります。

日本プロ野球のシーズン最多ホールド記録を保持しているのは、2021年に東京ヤクルトスワローズのリーグ優勝に大きく貢献した清水昇投手です。

この年、彼は驚異の50ホールドを記録し、歴史にその名を刻みました。

以下は、日本プロ野球におけるシーズンホールド記録のランキングです。(2024年シーズン終了時点)

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順位選手名所属球団ホールド記録年
1清水昇東京ヤクルトスワローズ502021年
2浅尾拓也中日ドラゴンズ472010年
3藤川球児阪神タイガース462005年
3久保田智之阪神タイガース462007年
5浅尾拓也中日ドラゴンズ452011年
5増井浩俊北海道日本ハムファイターズ452012年
7山口鉄也読売ジャイアンツ442012年
7五十嵐亮太福岡ソフトバンクホークス442014年
9平野佳寿オリックス・バファローズ432011年
9宮西尚生北海道日本ハムファイターズ432019年
9湯浅京己阪神タイガース432022年

2005年の藤川球児投手と久保田智之投手(そして抑えのウィリアムス投手)による「JFK」や、2010年、2011年の浅尾拓也投手が見せたパフォーマンスは、今もなおファンの間で語り草となっています。

これらの記録は、まさにチームの勝利に直結する大車輪の活躍だったと言えます。

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メジャーリーグでのホールドの扱い

ホールドという記録はアメリカで考案されたものですが、意外なことにメジャーリーグベースボール(MLB)では公式記録としては採用されていません

これは、MLBの公式記録を管理するElias Sports Bureauが、ホールドの定義が統計会社によって微妙に異なることなどを理由に、公式なステータスを与えていないためです。

しかし、公式記録ではないものの、非公式なデータとしては広く認知されており、野球専門のデータサイトやテレビ中継などでは一般的に使用されています。

ファンやメディアの間では、中継ぎ投手を評価するための重要な指標としてすっかり定着しているのです。

日本プロ野球(NPB)の規定との主な違いは、「同点の状況」の扱いです。

NPBでは同点の場面で登板し、無失点のまま降板した場合にもホールドが記録されますが、MLBの一般的な集計ルールでは、リードしている場面での登板のみがホールドの対象となります。

また、MLBではホールドと敗戦投手が同時に記録されることがある点も異なります。

これは、ホールドの条件を満たして降板したものの、自身が出した走者を後続の投手が還してしまい、それが決勝点となった場合に起こり得ます。

MLBの歴代通算ホールド記録

前述の通り、メジャーリーグ(MLB)ではホールドは公式記録ではありません。しかし、多くのデータサイトが1999年以降の記録を信頼性の高いものとして集計しいます。

参照:https://www.baseball-reference.com/

ここでは、一般的に引用されることが多い1999年以降の公式記録に近いデータと、それ以前も含む参考記録の両方を見てみましょう。

通算ホールド記録(公式集計)

2024年シーズン終了時点で、歴代トップに立つのは左腕リリーバーとして長く活躍したトニー・ワトソン投手です。

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順位選手名ホールド数
1トニー・ワトソン246
2アーサー・ローズ231
3ジョー・スミス228
4タイラー・クリッパード226
5ホアキン・ベノワ211

通算ホールド記録(非公式・参考記録)

1999年以前も含めると、順位は少し変動します。

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順位選手名ホールド数
1マイク・スタントン266
2アーサー・ローズ254
3アラン・エンブリー194

日米の記録を比較すると、MLBの投手の方が登板数が多くなる傾向にあるため、ホールド数も多くなることが分かります。

それでも、NPBの宮西尚生投手の記録がいかに突出しているかが際立ちます。

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まとめ:野球のホールドとは中継ぎ投手の勲章

速報BASEBALL_まとめ
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この記事では、野球におけるホールドという記録について、その基本的な条件から日米の歴代記録まで詳しく解説してきました。

最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。

当記事のまとめ
  • ホールドは試合中盤でリードを守る中継ぎ投手に与えられる記録
  • 勝利投手、敗戦投手、セーブ投手のいずれでもないことが前提
  • 1アウト以上を取り、リードを保ったまま降板する必要がある
  • 3点以内のリードで登板し1イニング以上投げるのが典型的な条件
  • 同点の場面で登板し無失点で抑えても記録される場合がある
  • ホールドは条件を満たせば1試合で複数人に記録される
  • セーブは試合の最後を締めくくるクローザーにのみ与えられる
  • ホールドと救援勝利を足したものがホールドポイント(HP)
  • 最優秀中継ぎ投手はホールドポイントで決まる
  • 日本プロ野球では1996年にパ・リーグが初採用、2005年に両リーグ統一
  • 降板後にチームが逆転負けしてもホールドは記録される
  • NPBの通算記録保持者は宮西尚生(412ホールド)
  • NPBのシーズン記録保持者は清水昇(50ホールド)
  • メジャーリーグでは公式記録ではないが一般的に使われる指標
  • 日米のルールの違いは同点時の扱いや敗戦投手との重複など

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この記事を書いた人

外資系企業のメディア担当として、海外サッカーやMLB関係の記事を多数執筆。プロ野球では中日ドラゴンズのファンを20年間継続しており、浅尾選手をリスペクトしています。野球専門メディアとして、12球団の最新情報や大谷選手特設ページなどの情報をたくさん更新していきます。

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