2025年もロサンゼルス・ドジャースで圧巻の活躍を見せる大谷翔平選手。
その一方で、力強い大振りの代償か「最近、三振が多すぎないか?」といった声が聞かれるようになりました。
日本のプロ野球時代からメジャーリーグに至るまで、彼の成績を振り返り、他の強打者とのランキング比較も交えながら、その疑問をデータで徹底的に検証していきます。
この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
- 大谷翔平の年度別三振率の推移
- 他のメジャー強打者との三振率比較
- 三振が多いと言われる背景や原因
- 2025年の三振ペースの客観的な評価

大谷翔平の三振が多すぎ?データで傾向を検証

- 三振が多いか判断する指標「三振率」
- メジャー移籍後の年度別三振率
- 2025年の三振ペースは過去最悪?
- 日本のプロ野球時代と成績を比較
- 年度別の三振率をグラフで可視化
三振が多いか判断する指標「三振率」
大谷翔平選手の三振が本当に多いのかを客観的に判断するためには、単純な三振の数だけを見るのではなく、「三振率」という指標を用いることが大切です。
三振率とは、全打席のうち、どれくらいの割合で三振したかを示すデータです。計算式は以下の通りです。
三振率(%) = 三振数 ÷ 打席数 × 100
この計算式を用いることで、シーズンごとの打席数の違いに影響されずに、成績の傾向を公平に比較できます。
例えば、400打席で100三振した場合、三振率は25%となります。
この指標を通じて、大谷選手のパフォーマンスの変動をより正確に読み解くことが可能になります。
メジャー移籍後の年度別三振率
それでは、実際に大谷選手がメジャーリーグに移籍してからの年度別三振数と三振率の推移を見てみましょう。
年度 | 所属チーム | 打席数 | 三振数 | 三振率 |
---|---|---|---|---|
2018 | エンゼルス | 367 | 102 | 27.8% |
2019 | エンゼルス | 425 | 110 | 25.9% |
2020 | エンゼルス | 175 | 50 | 28.6% |
2021 | エンゼルス | 639 | 189 | 29.6% |
2022 | エンゼルス | 666 | 161 | 24.2% |
2023 | エンゼルス | 599 | 143 | 23.9% |
2024 | ドジャース | 731 | 162 | 22.2% |
2025 | ドジャース | 629 | 162 | 25.8% |
※2025年は9月5日時点の成績
表を見ると、三振率が最も高かったのはMVPを獲得した2021年で、29.6%という高い数値を記録しています。
その後、2022年、2023年と改善傾向にありましたが、2025年は再び25%台まで上昇していることが分かります。
メジャー通算の三振率は25.5%であり、今年の成績は通算成績と近い水準にあると考えられます。
2025年の三振ペースは過去最悪?
2025年の三振の「数」に注目すると、確かに過去最悪のペースで増えているという指摘があります。
ドジャースのロバーツ監督も言及している通り、今季の三振数はシーズン換算で191三振に達するペースです。
これは、自己ワーストである2021年の189三振を超える数字となります。
ただ、前述の通り、三振「率」で比較すると、2025年の25.8%は、2021年の29.6%を大きく下回っています。
つまり、三振の絶対数は増えているものの、打席数に対する割合で見れば、過去最悪というわけではないのです。
打席数が増えていることも、三振数の増加に影響していると考えられます。
日本のプロ野球時代と成績を比較
大谷選手の三振が多いという傾向は、メジャー移籍後に始まったものではありません。
北海道日本ハムファイターズに在籍していたプロ野球時代から、三振は比較的多いタイプの打者でした。
参考として、NPB時代の主なシーズンの三振率を見てみましょう。
年度 | 打席数 | 三振数 | 三振率 |
---|---|---|---|
2014 | 236 | 65 | 27.5% |
2016 | 382 | 98 | 25.7% |
2017 | 231 | 73 | 31.6% |
このように、特に投手との二刀流の負担が大きかったシーズンなどでは、メジャーでの最高値を超える30%以上の三振率を記録した年もありました。
このデータから、彼の打撃スタイルは元来、高い三振率と隣り合わせであることが分かります。
大谷翔平の三振が多すぎと言われる理由を比較分析

- 他の強打者との三振率ランキング
- アーロン・ジャッジとの比較
- マイク・トラウトとの比較
- イチローとのスタイルの違い
- 原因は「大振り」スイングか
- まとめ:大谷翔平の三振は多すぎなのか
他の強打者との三振率ランキング
大谷選手の三振率を評価する上で、他の強打者との比較は欠かせません。
ホームランバッターは一般的に三振が多い傾向にありますが、その中で大谷選手はどの位置にいるのでしょうか。
選手名 | 三振率 | 対象期間 |
---|---|---|
アーロン・ジャッジ | 28.0% | 2016〜2024 |
大谷 翔平 | 25.5% | メジャー通算 |
マイク・トラウト | 22.3% | 2011〜2024 |
イチロー | 10.1% | 2001〜2019 |
このように、メジャーを代表するスラッガーと比較すると、大谷選手の三振率は決して突出して高いわけではなく、むしろ平均的な水準にあることが分かります。
アーロン・ジャッジとの比較
ニューヨーク・ヤンキースの主砲、アーロン・ジャッジ選手は、大谷選手よりも高い28.0%という三振率を記録しています。
彼は2022年に62本塁打のア・リーグ記録を樹立した球界屈指のパワーヒッターですが、その長打力と引き換えに多くの三振を喫するスタイルです。
彼の例を見ると、トップクラスの長距離打者にとって20%台後半の三振率は、ある種のトレードオフの関係にあると考えられます。
マイク・トラウトとの比較
エンゼルス時代の同僚であったマイク・トラウト選手は、22.3%と大谷選手より低い三振率を誇ります。
トラウト選手は、圧倒的なパワーに加えて卓越した選球眼を兼ね備え、四球を多く選ぶことでも知られています。
長打を狙いつつも、よりボールを見極めてコンタクトする打撃スタイルが、この三振率の差に表れているのかもしれません。
イチローとのスタイルの違い
比較対象として、安打製造機と呼ばれたイチロー選手の成績を見ると、その異質さが際立ちます。
彼のMLB通算三振率はわずか10.1%と、驚異的な低さを記録しました。
これは、本塁打を狙うのではなく、いかにバットに当ててヒットゾーンに運ぶかを追求した、アベレージヒッターとしての打撃哲学の表れです。
パワーを追求する大谷選手とは、打撃のスタイルそのものが根本的に異なるため、三振率にも大きな差が生まれています。
原因は「大振り」スイングか
三振が増加している一因として、ロバーツ監督が指摘する「大振り」が挙げられます。
監督は、「昨年はもっとコンパクトなスイングをしていた」「どちらかというと、『本塁打か三振』みたいな感じで、大振りが目立つ」とコメントしています。
大きなスイングは、当たれば長打になる確率を高めますが、同時にボール球に手を出すリスクや空振りの可能性も増大させます。
一方で、監督は「三振が多い中でも、全体的に打席の質は上がってきている」とも評価しています。
これは、三振という結果だけに囚われるのではなく、打席内容、例えば相手投手に多くの球を投げさせる粘りや、捉えた打球の質などを総合的に判断しているからです。
三振を恐れずに強くスイングするスタイルが、結果として多くの本塁打や長打を生み出しているという側面は否定できません。
まとめ:大谷翔平の三振は多すぎなのか

この記事で検証してきた内容を、最後に箇条書きでまとめます。
- 大谷翔平の三振が多すぎるとネットやSNSで話題になっている
- 三振数を公平に比較するには打席数を考慮した「三振率」が有効
- 2025年9月5日時点の三振率は25.8%
- メジャー移籍後の三振率のピークは2021年の29.6%だった
- したがって2025年の三振率はキャリアで最悪というわけではない
- しかし三振の「数」だけで見ると自己ワーストに迫るペース
- 日本のプロ野球時代から三振は多い傾向の打者だった
- 他のメジャー強打者と比較すると大谷の三振率は平均的な水準
- アーロン・ジャッジの三振率は28.0%で大谷よりも高い
- マイク・トラウトの三振率は22.3%で大谷よりも低い
- アベレージヒッターのイチローの三振率は10.1%と極めて低い
- 三振が増えている原因の一つとして「大振り」スイングが考えられる
- 監督は大振りを指摘しつつも打席全体の質は向上していると評価
- 三振を恐れない打撃スタイルが多くの長打を生む原動力でもある
- 結論として三振は多めだが強打者としては許容範囲内と言える
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