2026年はWBCの視聴はネットフリックスのみ8月現在
2026年3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が、日本国内では完全有料化されることが決定しました。
米動画配信大手のNetflix(ネットフリックス)が独占配信権を獲得し、これまで多くの日本人が慣れ親しんできた地上波での無料視聴は完全に不可能となります。
この決定により、WBCを視聴するためには月額890円から2,290円のNetflix契約が必須となり、大半の視聴者にとって新たな経済的負担が発生します。
2023年WBCで見られた「村神様」こと村上宗隆選手のサヨナラ打に街中が沸いた光景は、もう二度と見ることができないかもしれません。

民法の視聴率は40%を超えていたと思うので、一丸となって放映権を獲得してほしい!!


2026年WBC完全有料化の衝撃!野球ファンに激震


2026年3月のWBC開催まで約半年となった今、日本のスポーツ史上最も衝撃的な決定が下されました。
Netflix独占配信により、WBCが完全有料化されることで、これまで地上波で気軽に楽しめていた野球の世界大会が、月額料金を支払える人だけの特権となってしまいます。
この決定は、日本の野球ファンのみならず、スポーツ観戦文化そのものに根本的な変化をもたらすことになります。
Netflix独占配信で地上波放送が完全消滅
2026年WBCでは、全47試合がNetflixの独占配信となり、地上波での放送は一切行われません。これまでWBCを放送してきたテレビ朝日やTBSなどの地上波各局は、放映権料の高騰により撤退を余儀なくされました。
前回の2023年大会では、日本戦を中心に地上波で無料視聴が可能で、Amazonプライム・ビデオでも一部配信されていましたが、2026年大会ではそのような選択肢は一切ありません。
Netflix広報によると、他の配信・放送は行われないとしており、まさに完全独占の状況となります。
この変化は日本のスポーツ中継史上でも異例の事態といえます。過去5回のWBC大会すべてで地上波放送が実現してきた中で、今回初めて無料視聴の手段が完全に絶たれることになります。
ニュース番組のハイライトのみが唯一の無料視聴手段
完全有料化とはいえ、唯一残された無料視聴の手段があります。それは、各テレビ局のニュース番組で放送されるハイライト映像です。読
売新聞の発表によると、「NHK及び民間放送各局は、報道目的での試合映像は放映できますので、テレビニュースでは従来どおり試合のハイライトをご覧いただけます」とされています。
しかし、このハイライト視聴には大きな制限があります。放送時間は数分程度に限られ、試合の流れや臨場感を味わうことは困難です。また、放送のタイミングも各局の編成次第となるため、リアルタイムでの視聴体験は完全に失われます。
従来のようにチャンネルを回してWBCの試合を見つけ、家族や友人と一緒に一喜一憂するという体験は、もはや過去のものとなってしまいます。
これまでの「無料で見る文化」が終了する背景
日本では長年、WBCのような国際スポーツイベントは地上波で無料視聴できるものという認識が根強くありました。この「無料で見る文化」の終了には、複数の要因が絡んでいます。
最大の要因は放映権料の急激な高騰です。スポーツコンテンツの価値が世界的に上昇する中で、WBCの放映権料も2023年大会の約30億円から数倍に跳ね上がったとされています。
地上波テレビ局の広告収入が減少傾向にある現在、このような高額な放映権料を負担することは現実的ではなくなりました。
同時に、Netflixをはじめとする配信サービスの台頭も大きな影響を与えています。これらのサービスは世界規模での展開により豊富な資金力を持ち、高額な放映権料を支払うことが可能です。結果として、従来の地上波中心の放送モデルは大きく変化を迫られています。
WBC視聴に必要な料金負担はいくら?大半の人には重い現実


WBCをNetflixで視聴するために必要な料金負担は、多くの日本人にとって決して軽いものではありません。
これまで無料で楽しめていたWBCが、月額890円から2,290円の料金が必要となることで、家計に新たな負担が発生します。
特に、年金生活者や子育て世帯、学生などにとって、娯楽のための月額料金は慎重に検討せざるを得ない支出となるでしょう。
Netflix最安プラン月額890円でも年間10,680円の負担
WBCをNetflixで視聴するためには、同社の月額プランへの加入が必須となります。最も安価な「広告つきスタンダードプラン」でも月額890円(税込)の負担が発生し、年間では10,680円となります。
より快適な視聴環境を求める場合、広告なしの「スタンダードプラン」は月額1,590円、最高画質の「プレミアムプラン」は月額2,290円となります。
家族での視聴や大画面での観戦を考えると、多くの世帯でスタンダードプラン以上の契約が必要になるでしょう。
これらの料金は、これまで無料で楽しめていたWBC視聴に対する完全に新しい負担です。特に、従来テレビでスポーツを見ることが多かった高齢者層にとって、この料金負担は決して軽いものではありません。
WBC期間だけの短期契約でも1ヶ月分の料金が必要
「WBC期間中だけ契約すれば良い」と考える人も多いでしょうが、実際にはそう単純ではありません。Netflixは月額制サービスのため、短期間の視聴でも最低1ヶ月分の料金が必要になります。
WBCの開催期間は2026年3月5日から17日までの約2週間ですが、この期間のためだけでも890円から2,290円の支払いが必要です。さらに、契約後の解約手続きを忘れると翌月以降も料金が継続して発生するリスクもあります。
また、Netflixは契約日から30日以内の解約ができないという制約もあるため、WBC視聴のためだけに契約する場合でも、実質的に1ヶ月分の料金負担は避けられません。
家計への影響と他の支出との比較
月額890円という金額を他の支出と比較すると、その負担の大きさが分かります。これは携帯電話の基本料金の一部、インターネット回線料金、または食費の数日分に相当する金額です。
特に、年金生活の高齢者や子育て世帯にとって、娯楽のための月額890円は決して小さな負担ではありません。総務省の家計調査によると、多くの世帯で娯楽費の削減が進んでいる中で、WBC視聴のためだけに新たな月額料金を負担することは困難な判断となるでしょう。
さらに、Netflix契約には他の動画コンテンツも含まれているとはいえ、WBCだけを目的とする視聴者にとっては必要のないサービスに対する支払いという側面もあります。
なぜWBCは完全有料化されたのか?放映権料高騰の実態


WBCの完全有料化の背景には、スポーツコンテンツ市場の構造的変化があります。
世界的なスポーツ放映権料の高騰と、配信サービスの巨額投資により、従来の地上波放送モデルでは採算が取れなくなったのが最大の要因です。
この変化は WBCに限らず、世界中のスポーツイベントで同様の現象が起きており、日本もその波に飲み込まれた形となります。
2023年大会の約30億円から数倍に跳ね上がった放映権料
WBC完全有料化の最大の要因は、放映権料の異常とも言える高騰です。
2023年大会の放映権料は約30億円でしたが、2026年大会ではその数倍に跳ね上がったとされています。この急激な価格上昇の背景には、世界的なスポーツコンテンツの価値向上があります。
WBCの放映権料は2017年大会の約10億円から2023年大会で約30億円へと3倍に上昇していました。
そして2026年大会では、さらにその数倍という前代未聞の価格設定となったのです。この価格設定は、Netflix側の強い獲得意欲と、WBC主催者側の収益最大化戦略が合致した結果と言えます。
放映権料のこのような高騰は、WBCに限らず世界中のスポーツイベントで見られる傾向です。配信サービスの台頭により、コンテンツ獲得競争が激化していることが主な要因となっています。
地上波テレビ局では採算が取れない現実
従来WBCを放送してきた地上波テレビ局にとって、この放映権料の高騰は致命的な問題となりました。地上波の収益構造は主に広告費に依存しており、高額な放映権料を回収することが困難になったのです。
テレビ局の広告収入は年々減少傾向にあり、特に若年層のテレビ離れが深刻な問題となっています。このような状況下で、数十億円規模の放映権料を支払い、なおかつ利益を確保することは現実的ではありません。
読売新聞が異例の声明を発表したように、従来の放送局にとってもこの決定は予想外の展開でした。東京ドームでの試合開催に長年関わってきた読売新聞でさえ、今回の独占契約については事前の相談がなかったとしています。
Netflix独占契約で排除された他の選択肢
Netflixの独占契約により、従来WBC放送に関わってきた他の選択肢がすべて排除されました。前回大会で配信を行ったAmazonプライム・ビデオやその他の配信サービスも、今回は参入の機会を与えられませんでした。
この独占契約は、視聴者の選択肢を大幅に狭める結果となっています。複数のサービスで配信されていれば、既に契約しているサービスでの視聴や、より安価なオプションの選択が可能でしたが、Netflixのみという状況では代替手段がありません。
また、地上波との同時配信やハイブリッド配信といった中間的な解決策も検討されることなく、完全独占という極端な形態が選択されました。これは視聴者の利便性よりも収益性を優先した決定と言わざるを得ません。
有料配信で見られなくなる人たちへの深刻な影響


WBCの完全有料化により、最も深刻な影響を受けるのは、デジタル機器に不慣れな高齢者層や、経済的余裕のない世帯です。
これまで平等に楽しめていたWBCが、技術的・経済的な障壁により一部の人々から遠ざけられることで、新たな社会格差が生まれる可能性があります。
この影響は一時的なものではなく、野球文化の継承や社会の結束にも長期的な影響を与えることが懸念されます。
Netflix未契約の高齢者層が完全に視聴から取り残される
WBCの完全有料化により、最も深刻な影響を受けるのは高齢者層です。総務省の調査によると、60歳以上でNetflixなどの動画配信サービスを利用している人の割合は20-30%程度に留まっており、大多数の高齢者がWBC視聴から完全に排除される形となります。
高齢者にとって、スマートフォンやタブレットでの動画視聴は技術的なハードルが高く、また新たな月額料金の負担も年金生活では重い負担となります。
これまで自宅のテレビで気軽にWBCを楽しんでいた多くの高齢者が、2026年大会では視聴できない状況に置かれます。
特に、野球を長年愛し続けてきた世代の多くが高齢者層であることを考えると、この影響は計り知れません。WBCの熱心なファンである彼らが視聴できなくなることは、大会の意義そのものを損なう可能性があります。
子供たちが気軽に野球を見る機会の消失
WBCの完全有料化は、子供たちにとっても大きな影響をもたらします。これまで家族でテレビを見ている際に偶然WBCの試合に出会い、野球の面白さを知るという機会が完全に失われてしまいます。
子供の場合、両親がNetflixに契約していなければWBCを視聴することは不可能です。また、契約していても能動的に視聴する必要があるため、偶然の出会いによる野球への興味喚起は期待できません。
野球界の将来を担う子供たちがWBCというトップレベルの野球に触れる機会が減ることは、長期的な野球人口の減少につながる可能性があります。
経済的理由で有料配信を契約できない世帯の排除
月額890円から2,290円という料金は、経済的に余裕のない世帯にとって決して軽い負担ではありません。
特に、昨今の物価高や経済情勢の悪化により、娯楽費を削減せざるを得ない世帯が増加している中で、WBC視聴のための新たな支出は困難な判断となります。
厚生労働省の調査によると、日本の相対的貧困率は約15%に達しており、これらの世帯がWBC視聴から排除される可能性が高いです。これまで地上波での無料視聴により、経済状況に関係なくWBCを楽しむことができていた平等性が失われます。
スポーツは本来、社会の結束や一体感を生み出すものですが、経済的格差により視聴機会に差が生じることは、社会の分断を深める要因となりかねません。
失われる「国民的一体感」と社会への影響


2023年WBCで日本中が一つになった瞬間を思い出してください。
村上宗隆選手のサヨナラ打の瞬間、街角から歓声が上がり、職場や学校で共通の話題が生まれました。しかし、Netflix独占配信により、このような「同じ時間に同じものを見る」体験が大幅に減少することになります。
これは単なる視聴方法の変更ではなく、日本社会の絆を支えてきた共通体験の消失という、より深刻な問題を意味しています。
2023年WBCで生まれた街角の歓声がもう聞けない現実
2023年3月21日のWBC準決勝での村上宗隆選手のサヨナラ打の瞬間、日本中で同時に歓声が上がりました。
マンションから聞こえる歓声、道路を挟んだ向かい側でガッツポーズをする大学生、拍手する音が聞こえる一軒家。これらの光景は、地上波放送により多くの人が同じ瞬間を共有できたからこそ実現したものでした。
しかし、Netflixでの独占配信となることで、このような同時体験は大幅に減少するでしょう。視聴者が限定されるため、街角での歓声や職場での盛り上がりは過去のものとなる可能性が高いです。
この変化は単なる視聴方法の違いを超えて、日本社会における共通体験の減少という深刻な問題を示しています。WBCのような国際大会が持つ社会統合機能が大きく損なわれることになります。
職場や学校での共通話題が激減する可能性
これまでのWBCでは、翌日の職場や学校で「昨日の試合見た?」という会話が自然に生まれていました。しかし、視聴者が Netflix契約者に限定されることで、このような共通話題が激減する可能性があります。
特に、世代間での視聴格差が顕著になることが予想されます。若年層では比較的Netflix利用率が高い一方で、中高年層では低く、年代によって視聴の有無が大きく分かれるでしょう。これにより、従来のようなWBCを通じた世代間コミュニケーションが困難になります。
また、経済的な理由でNetflixを契約できない人は、WBC関連の話題から疎外される可能性があります。これは新たな社会格差の一形態とも言えるでしょう。
地上波の同時体験文化の終焉が意味すること
地上波テレビの特徴である「同時体験」は、日本社会の重要な文化的要素でした。同じ時間に同じコンテンツを視聴することで生まれる一体感や連帯感は、社会の結束を支える基盤の一つでもありました。
WBCのNetflix独占配信は、この同時体験文化の終焉を象徴する出来事と言えます。配信サービスの特性上、各自が好きな時間に視聴するため、同じ瞬間を共有する体験が失われます。
この変化は、社会全体のコミュニケーションの質にも影響を与える可能性があります。共通の体験や話題の減少により、人々の結びつきが弱くなり、社会の分断が進む要因となることも懸念されます。
WBC有料化で予想される野球界への深刻なダメージ


WBCの有料化は、日本野球界全体に長期的かつ深刻な影響をもたらす可能性があります。
これまでWBCは野球への関心を高め、新規ファンを獲得する最大の機会でしたが、視聴者の大幅減少により、この機能が大きく損なわれることになります。
特に、普段野球を見ない層への訴求力が失われることで、野球人口の減少に歯止めがかからなくなる恐れがあります。
視聴者数激減による野球人気の低下懸念
Netflix独占配信により、WBCの視聴者数は大幅に減少することが予想されます。前回の2023年大会では、地上波放送により多くの「普段野球を見ない人」も視聴していましたが、有料配信ではこれらの視聴者の大部分が離脱する可能性があります。
視聴者数の減少は、野球人気の低下に直結します。WBCは野球の最高峰を示すイベントであり、多くの人がその魅力を知る入口となっていました。この入口が狭まることで、野球への関心自体が低下する恐れがあります。
特に、DAZNがJリーグや日本代表戦の独占配信を開始した後、サッカーの一般的な知名度が低下したという前例があります。
現在の日本代表は歴代最強クラスの実力を持ちながら、お茶の間での知名度は低いという現象が起きています。WBCでも同様の現象が起こる可能性が高いです。
新規ファン獲得機会の大幅減少
WBCは野球界にとって新規ファンを獲得する最大の機会でした。国際大会という特別感と、大谷翔平選手をはじめとするスター選手の活躍により、普段野球に興味のない層も引きつけることができていました。
しかし、有料配信により視聴者が既存の野球ファンやNetflix契約者に限定されることで、新規ファン獲得の機会は大幅に減少します。特に、偶然テレビを見ていてWBCの面白さに気づくという体験が失われることは、野球界にとって大きな損失です。
若年層の野球離れが進む中で、WBCは数少ない野球への関心を喚起できるイベントでした。この機会を失うことで、野球人口の減少に歯止めがかからなくなる可能性があります。
有料配信時代に取り残される人々の現実


しかし、実際にはさらに少なくなる可能性が高く、これは日本社会における新たなデジタル格差を浮き彫りにしています。
インターネット環境、デジタル機器の操作能力、経済的余裕などの要因により、WBC視聴の可否が決まるという状況は、スポーツが持つ本来の平等性を損なうものです。
Netflix契約率から見る実際の視聴可能人口
日本国内のNetflix契約者数は約1,000万世帯とされており、これは全世帯数の約20%に相当します。つまり、理論上はWBC視聴可能な世帯が全体の5分の1に制限されることになります。
しかし、実際の視聴可能人口はさらに少なくなる可能性があります。Netflix契約者の中にも、スポーツ中継に興味がない人や、追加の通信料金を気にして長時間の視聴を避ける人もいるためです。
結果として、2023年大会で多くの人が視聴した WBCが、2026年大会では視聴者数が10分の1以下になる可能性も否定できません。これは国民的イベントとしてのWBCの性格を根本的に変える変化と言えるでしょう。
デジタル格差が生む新たな社会問題
WBCの完全有料化は、デジタル格差という新たな社会問題を浮き彫りにします。インターネット環境の有無、デジタル機器の操作能力、経済的な余裕などの要因により、WBC視聴の可否が決まるという状況が生まれます。
特に高齢者や低所得世帯では、これらの要因によりWBC視聴から排除される可能性が高く、新たな情報格差が生じることになります。これまで平等に享受できていたスポーツ観戦の機会が、技術的・経済的要因により制限されることは、社会の公平性の観点から問題があります。
また、地方部では高速インターネット環境が十分に整備されていない地域もあり、地域間での視聴格差も生じる可能性があります。
スポーツ観戦の完全階層化への懸念
WBCの有料化は、スポーツ観戦の階層化を進める要因となります。現地での観戦は高額なチケット代が必要で、映像視聴も有料配信の契約が必要となることで、経済的な余裕のある層のみがスポーツを楽しめるという構造が強化されます。
この階層化は、スポーツが持つ本来の価値である「誰もが楽しめる娯楽」という性格を損なうものです。また、社会全体の結束や連帯感を生み出すスポーツの機能も弱体化させる可能性があります。
井上尚弥選手のボクシング中継がDAZNの有料配信となった結果、その実力に比して一般知名度が低いという現象が起きています。WBCでも同様の現象が起こることで、野球界全体のプレゼンスが低下する恐れがあります。
WBC有料化が示すスポーツ中継の暗い未来


WBCの有料化は、日本のスポーツ中継界全体の未来を暗示する出来事です。すでにサッカー日本代表戦やボクシングの主要試合が有料配信となり、一般の関心が大幅に低下したという前例があります。
WBCがこの流れに加わることで、スポーツ中継の完全有料化時代が本格的に到来し、「みんなで楽しむスポーツ」という文化が失われる可能性があります。
サッカー代表戦やボクシング中継の前例から学ぶ教訓
WBCの有料化は、既に他のスポーツで起きている現象の野球版と言えます。サッカー日本代表戦の多くがDAZNの有料配信となった結果、代表選手の知名度や試合への関心が大幅に低下しました。
井上尚弥選手のボクシング中継も同様で、世界的な実力を持ちながら日本国内での一般的な知名度は決して高くありません。これは、地上波での露出機会が減ったことが主な要因とされています。
これらの前例を見ると、WBCの有料化により野球界全体の注目度が低下し、選手の知名度や人気も減少する可能性が高いです。短期的な収益向上と引き換えに、長期的な競技の発展が犠牲になるという構造が見えてきます。
2026年W杯も同様の有料化の可能性
スポーツ中継の有料化の波は、WBCに留まらない可能性があります。2026年のサッカーワールドカップでも、放映権料の高騰により地上波での放送が困難になるという報道が既に出ています。
もしワールドカップまで有料配信となれば、日本のスポーツ文化は根本的な変化を迫られることになります。これまで「みんなで見る」ことができた国際的なスポーツイベントが、経済的な余裕のある層のみの特権となってしまいます。
2022年のワールドカップがABEMAで無料配信されたのは、サイバーエージェントの特殊な事情によるもので、今後同様のサポートが期待できるかは不透明です。スポーツ中継の完全有料化時代が到来する可能性が現実味を帯びています。
2026年WBCのNetflix独占配信決定は、日本のスポーツ観戦文化における歴史的な転換点となります。
これまで当たり前だった無料でのWBC視聴が不可能となり、月額890円以上の料金負担が必要となることで、多くの視聴者がWBCから遠ざかることは避けられないでしょう。
特に高齢者層や経済的余裕のない世帯、デジタル機器に不慣れな人々が視聴から排除されることで、WBCが持っていた国民的イベントとしての性格は大きく変化します。
この変化は、野球界全体にとって長期的なマイナス影響をもたらす可能性が高く、新規ファンの獲得機会の減少や野球人気の低下が懸念されます。
WBCの有料化は、単なる視聴方法の変更を超えて、日本社会におけるスポーツの位置づけや共通体験の在り方を根本的に変える出来事として記憶されることになるかもしれません。