野球の背番号の意味を解説!人気の番号やルールも紹介

野球のルール_背番号 意味

野球観戦の際、選手の背中に輝く背番号にどんな意味が込められた意味があるのか、気になったことはありませんか。

実は、チームで1番強い背番号と言われるエースナンバーや、投打の中心であるエースで4番を担う選手の番号、近年では大谷翔平選手も背負った11番など、それぞれの数字には選手の役割や歴史、そしてファンの想いが深く関わっています。

単なる識別番号ではない、背番号の奥深い世界を知ることで、野球観戦がもっと面白くなるはずです。

この記事では、プロ野球で人気の背番号が持つイメージから、少年野球・高校野球の基本的なルール、さらにはチームやファンにとって特別な意味を持つ番号まで、網羅的に解説していきます。

当記事のポイント
  1. プロ野球で人気の背番号とそれに紐づく選手のイメージ
  2. 少年野球や高校野球における背番号の基本的なルール
  3. 永久欠番や準永久欠番といったチーム独自の背番号の意味
  4. 背番号の知識を野球観戦に活かし、より楽しむための視点
目次

プロ野球から見る野球の背番号が持つ意味

  • 1番強い背番号?エースナンバー「18番」
  • ダルビッシュや大谷翔平も背負った「11番」
  • 実力派ピッチャーの番号「29番」
  • 名捕手が受け継ぐ「27番」
  • 中長距離砲のイメージ「5番」
  • 天才打者の代名詞となった「51番」
  • スラッガーの象徴「55番」
  • 助っ人外国人に人気の「42番」

1番強い背番号?エースナンバー「18番」

プロ野球において、背番号18番はチームのエースピッチャーが背負う番号として広く認知されています。

これは、そのチームで最も信頼され、実力のある投手の象徴と考えられることが多いです。

なぜ18番がエースナンバーになったのか、その由来は日本の伝統文化である歌舞伎に遡ると言われています。

歌舞伎役者が得意とする演目を「十八番(おはこ)」と呼ぶことから、チームで最も得意なこと、つまり最高の投手という意味合いで18番がエースに与えられるようになった、という説が有力です。

実際に、球史を振り返ると錚々たる名投手が18番を背負ってきました。

巨人軍の桑田真澄、西武ライオンズ時代の松坂大輔、楽天ゴールデンイーグルスの田中将大、そして広島東洋カープやメジャーリーグで活躍した前田健太など、各時代を代表する投手がこの番号の価値を高めています。

このように、18番は日本独自の文化から生まれた特別なエースナンバーなのです。

ダルビッシュや大谷翔平も背負った「11番」

背番号11番もまた、エースナンバー18番に次いで、球界を代表する投手が背負う番号として強いイメージを持っています。

特に、北海道日本ハムファイターズに所属していたダルビッシュ有選手や大谷翔平選手が11番を付けていたことで、そのイメージはより強固なものになりました。

11番は、伝統的に速球派の本格派右腕が付けることが多いとされています。

彼らの活躍は、11番が次世代のエースナンバーとしての地位を確立する大きな要因となりました。巨人軍で活躍した上原浩治投手も、メジャーリーグ挑戦前は19番でしたが、日本球界復帰後は11番を背負い、その存在感を示しました。

また、11番は投手だけでなく、野手が背負うケースもあります。

そのため、18番が純粋な「投手のエース」というイメージであるのに対し、11番は投打にわたって優れた才能を持つ選手、あるいはチームの中心となる選手が背負う番号という印象も生まれつつあります。

大谷翔平選手が投打二刀流で歴史的な活躍を見せたことは、このイメージを象徴していると言えるでしょう。

実力派ピッチャーの番号「29番」

エースナンバーの18番や11番の影に隠れがちですが、背番号29番もまた、

バッターを力でねじ伏せる実力派ピッチャーに与えられる番号として知られています。

この29番のイメージを定着させたのは、「マサカリ投法」の異名で知られる村田兆治投手(ロッテなど)です。

最多勝1回、最優秀防御率3回、最多奪三振4回という驚異的な実績を持つ彼は、その独特なフォームから繰り出される速球とフォークボールで、多くの強打者を打ち取りました。

その後も、与田剛投手(中日など)や鹿取義隆投手(巨人など)、井川慶投手(阪神など)といった、球威のあるボールを武器にする投手が29番を受け継いでいます。

チームの2番手、3番手投手でありながら、エース級の活躍を見せる投手が付ける番号という印象が強いです。

名捕手が受け継ぐ「27番」

背番号27番は、扇の要であるキャッチャー、特に球界を代表する名捕手が背負う番号として知られています。

この伝統は、V9時代の読売ジャイアンツを支えた森昌彦(旧名:森祇晶)捕手が27番を付けていたことに由来します。

森氏の活躍以降、27番は名捕手の系譜として受け継がれていきました。

ヤクルトスワローズで一時代を築いた古田敦也氏、西武ライオンズの黄金期を支えた伊東勤氏、そして中日ドラゴンズの谷繁元信氏など、いずれもチームの司令塔として輝かしい実績を残した選手ばかりです。

もちろん、全ての正捕手が27番というわけではありません。ポジション番号と一致する「2番」もキャッチャーに人気の背番号であり、現在のプロ野球でも多くの正捕手が27番か2番のどちらかを背負っています。27番は、守備だけでなく打撃やリーダーシップにも優れた、万能型捕手のイメージが強いと言えるでしょう。

中長距離砲のイメージ「5番」

背番号5番は、打線の主軸を担う中長距離砲が背負うことが多い番号です。

有名な選手としては、西武ライオンズや読売ジャイアンツで活躍した清原和博選手、阪神タイガースなどでプレーした新庄剛志選手、そして福岡ソフトバンクホークスの松田宣浩選手などが挙げられます。

少年野球や高校野球では、5番はサードのポジション番号を意味します。

しかし、プロ野球で5番を背負う選手は必ずしもサードを守るわけではありません。

特に、「球界の番長」として絶大な人気と実力を誇った清原和博選手が、ファーストを守りながら5番を背負っていた影響は大きく、「5番=強打者」というイメージを強く印象付けました。

チャンスに強く、チームの勝利を決定づける一打を放つ打者が付ける番号として定着しています。

天才打者の代名詞となった「51番」

背番号51番と聞けば、多くの野球ファンが「イチロー」選手を思い浮かべるのではないでしょう!

か。彼の圧倒的なパフォーマンスにより、51番は「俊足好打の天才打者」という特別なイメージを持つ番号となりました。

しかし、そのイチロー選手が51番を選ぶきっかけとなったのは、広島東洋カープの「孤高の天才」と呼ばれた前田智徳選手でした。

イチロー選手自身が、前田選手への憧れから51番を付けたことを公言しており、51番の歴史を語る上で前田選手の存在は欠かせません。

イチロー選手の登場以降、彼に憧れて51番を背負う選手が数多く現れました。

現役選手では、広島東洋カープの鈴木誠也選手(2019年まで)や横浜DeNAベイスターズの宮崎敏郎選手など、リーグを代表する好打者がこの番号を受け継いでいます。

51番は、今やミート力と野球センスに優れた選手の代名詞となっているのです。

スラッガーの象徴「55番」

背番号55番は、豪快なホームランでファンを魅了する長距離打者、いわゆる「スラッガー」の番号として定着しています。

このイメージを決定づけたのは、読売ジャイアンツやニューヨーク・ヤンキースで活躍した松井秀喜選手です。

彼の愛称「ゴジラ」と共に、背番号55はホームランの代名詞となり、多くの野球少年の憧れの的となりました。

松井選手がヤンキースでワールドシリーズMVPを獲得した活躍は、55番の価値を世界的なものにしたと言っても過言ではありません。

現在も、オリックス・バファローズのT-岡田選手や東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手、横浜DeNAベイスターズ時代の筒香嘉智選手など、各球団の主砲が55番を背負っています。

プロ野球で人気とされる背番号の中では比較的大きな数字であり、これ以上の70番台や80番台は、主に監督やコーチが付けるのが一般的です。

助っ人外国人に人気の「42番」

背番号42番は、日本のプロ野球において助っ人外国人選手が好んで付ける傾向があります。

これには、メジャーリーグの歴史を大きく変えた一人の選手の存在が深く関わっています。

その選手とは、黒人初のメジャーリーガーとして人種の壁を打ち破ったジャッキー・ロビンソンです。

彼が付けていた背番号42は、その偉大な功績を称え、現在メジャーリーグの全球団で永久欠番に指定されています。

メジャーリーグでは毎年4月15日を「ジャッキー・ロビンソン・デー」とし、全選手が42番のユニフォームを着用してプレーします。

メジャーリーグでは付けることが許されない憧れの番号であるため、日本球界でプレーする多くの外国人選手が42番を希望します。

西武ライオンズなどで活躍したアレックス・カブレラ選手や、中日ドラゴンズのトニ・ブランコ選手、広島東洋カープのクリス・ジョンソン投手など、数々の優良助っ人が42番を背負って日本のファンを沸かせました。

歴史や役割で知る野球の背番号が持つ意味

  • 少年野球はポジションで番号が決まる
  • チームの顔であるエースで4番の背番号
  • 永久欠番に込められた意味とは
  • ファンとチームを繋ぐ特別な番号
  • 野球の背番号が持つ意味を知り観戦を楽しもう

少年野球はポジションで番号が決まる

プロ野球では選手が比較的自由に背番号を選べますが、少年野球や高校野球では、基本的にポジションによって背番号が決まっています。

これは、野球のスコアブックで用いられる守備番号と一致しており、背番号を見ればどのポジションの選手なのかが一目で分かるようになっています。

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背番号ポジション
1番ピッチャー(投手)
2番キャッチャー(捕手)
3番ファースト(一塁手)
4番セカンド(二塁手)
5番サード(三塁手)
6番ショート(遊撃手)
7番レフト(左翼手)
8番センター(中堅手)
9番ライト(右翼手)

野球中継で「4-6-3のダブルプレー」という言葉を聞くことがありますが、これはセカンド(4番)からショート(6番)へ、そしてファースト(3番)へとボールが渡ってダブルプレーが成立したことを意味しています。

この番号ルールを知っておくと、試合展開の理解がより深まります。

また、少年野球に限定されたルールとして、キャプテンが10番、監督が30番を付けることが一般的です。

高校野球では、控え投手が10番や11番を付け、レギュラー選手以外は10番以降の番号を付けるのが慣例となっています。

チームの顔であるエースで4番の背番号

「エースで4番」という言葉は、投打にわたってチームの中心となる、まさに大黒柱のような選手を指す表現です。

特に高校野球など、選手層が限られるアマチュア野球において、最も能力の高い選手がこの大役を担うことが多く見られます。

この場合、ピッチャーであるため背番号は「1番」を付けるのが通例です。 

したがって、「エースで4番」の選手が背負う1番は、単なる投手番号以上の意味を持ち、チームの絶対的な象徴として特別な輝きを放ちます。

横浜高校時代の松坂大輔投手や、大阪桐蔭高校時代の根尾昂選手などがその代表例です。

プロ野球の世界では、投打の分業制が確立しているため、「エースで4番」は非常に稀な存在です。

しかし、北海道日本ハムファイターズ時代の大谷翔平選手が、投手として登板する試合で打順にも入る「リアル二刀流」でこの役割を体現し、ファンに大きな衝撃と感動を与えました。

彼が背負っていた11番もまた、新たな時代の象徴的な番号と言えるかもしれません。

永久欠番に込められた意味とは

プロ野球の各球団には、チームの歴史の中で偉大な功績を残した選手の背番号を、その選手への敬意を表して他の誰も付けられないようにする「永久欠番」という制度が存在します。

これは、球団にとって最高の栄誉であり、その番号は伝説の選手と共に永遠に語り継がれていきます。

各球団の主な永久欠番

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球団名永久欠番選手名主な功績
巨人1王貞治世界最多ホームラン記録(868本)を樹立
3長嶋茂雄「ミスタープロ野球」として国民栄誉賞も受賞
14沢村栄治「沢村賞」の由来となった伝説の大投手
阪神10藤村富美男初代「ミスタータイガース」
11村山実沢村賞を3度受賞した「ザトペック投法」の剛腕
23吉田義男「牛若丸」と称された華麗な守備の遊撃手
中日10服部受弘マルチプレーヤーとして活躍
15西沢道夫投打で活躍した初代「ミスタードラゴンズ」
広島3衣笠祥雄連続試合出場記録を樹立した「鉄人」
8山本浩二「ミスター赤ヘル」と呼ばれた4度の本塁打王
15黒田博樹ファンの想いに応えメジャーから復帰した「男気」
西武24稲尾和久シーズン42勝を記録した「神様、仏様、稲尾様」
日本ハム100大社義規日本ハム創業者
楽天77星野仙一球団初の日本一を成し遂げた「闘将」

準永久欠番という存在

永久欠番とまではいかなくとも、それに準ずる形で大切に扱われる「準永久欠番(名誉番号)」も存在します。

これは、「その番号にふさわしい後継者が現れるまで欠番とする」というもので、球団がその番号の価値を特別に認めている証です。

例えば、オリックス・ブルーウェーブ時代のイチロー選手が付けた「51番」や、読売ジャイアンツ時代の松井秀喜選手が付けた「55番」などがこれにあたります。

ファンとチームを繋ぐ特別な番号

プロ野球チームの中には、特定の背番号を選手ではなく「ファンのための番号」として登録している球団があります。

これは、ファンもチームの一員であるという強いメッセージが込められた、非常にユニークな取り組みです。

現在、この制度を導入しているのは以下の2球団です。

千葉ロッテマリーンズ


26番プロ野球の一軍ベンチ入り登録選手数が25人であることから、「26番目の選手はファンである」という意味を込めて制定されました。

東北楽天ゴールデンイーグルス

10番野球は9人でプレーするスポーツであることから、「10人目の選手」としてファンにこの番号が与えられています。

これらの番号が付いたユニフォームやグッズはファンに大変人気があり、スタジアムで着用することで、選手と共に戦っているという一体感をより強く感じることができます。

ファンと球団の絆を象徴する、心温まる制度と言えるでしょう。

野球の背番号が持つ意味を知り観戦を楽しもう

速報BASEBALL_まとめ

この記事を通して、野球の背番号が持つ意味の奥深さについて、様々な角度からご理解いただけたのではないでしょうか。

最後に、本記事で解説した重要なポイントをまとめます。

当記事のまとめ
  • プロ野球の背番号に厳格なルールはないが番号ごとにイメージが存在する
  • 背番号18は歌舞伎の「十八番」に由来する日本独自のエースナンバー
  • 背番号11はダルビッシュ選手や大谷選手の影響で次世代のエースナンバーに
  • 背番号29は村田兆治投手に代表される力で押す実力派投手の番号
  • 背番号27はV9巨人の森昌彦捕手から続く名捕手の系譜
  • 背番号5は清原和博選手らの活躍で中長距離砲のイメージが定着
  • 背番号51はイチロー選手に代表される俊足好打の天才打者の象徴
  • 背番号55は松井秀喜選手の活躍によりスラッガーの代名詞となった
  • 背番号42はジャッキー・ロビンソンへの敬意から助っ人外国人に人気
  • 少年野球や高校野球では基本的にポジションで背番号が決まる
  • ピッチャーは1番、キャッチャーは2番、ファーストは3番と続く
  • 「エースで4番」は投打の中心選手で主に背番号1を付ける
  • 永久欠番は偉大な功績を残した選手に贈られる球団最高の栄誉
  • 準永久欠番はその番号にふさわしい後継者が現れるまで欠番となる
  • ロッテの26番や楽天の10番はファンのための特別な番号
  • 背番号の背景を知ることで選手の個性やチームの歴史が見えてくる
  • 選手の背番号に注目すると野球観戦がより一層楽しくなる

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この記事を書いた人

外資系企業のメディア担当として、海外サッカーやMLB関係の記事を多数執筆。プロ野球では中日ドラゴンズのファンを20年間継続しており、浅尾選手をリスペクトしています。野球専門メディアとして、12球団の最新情報や大谷選手特設ページなどの情報をたくさん更新していきます。

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