楽しみにしていたプロ野球観戦。しかし、突然の雨で「本日の試合は雨天中止」との知らせが…。
試合中止判断の決定時間はいつなのか、中止になった場合のチケットの払い戻しはどう進めればいいのか、疑問や不安が次々と浮かんでくるのではないでしょうか。
特に遠方からの遠征を計画していた場合、その後の対応は切実な問題です。
この記事では、プロ野球の試合が雨天中止になった際の様々な疑問を解消します。
- 雨天中止の決定プロセスとタイミング
- 中止になった試合の振替日程パターン
- チケットの払い戻し方法と具体的な注意点
- 知っておくと役立つセ・リーグとパ・リーグの球場事情

プロ野球の雨天中止と代替試合、チケットの基本

- 雨天中止の判断は誰がする?
- 中止の決定時間はいつ?
- 代替試合はいつ?予備日へのスライドが基本
- 別カードへの振替やシーズン終盤の試合も
- ダブルヘッダーは開催される?
- セ・パで違う雨天中止のリスク
雨天中止の判断は誰がする?
プロ野球の試合が雨天により中止となるかどうかの最終的な判断は、原則として主催球団(ホームチーム)に委ねられています。これはセ・リーグ、パ・リーグ共通のルールです。
例えば、阪神甲子園球場で行われる「阪神対巨人」の試合であれば、主催球団である阪神タイガースが中止の判断を下します。
もちろん、球団が単独で決定するわけではありません。球場を管理するスタッフや、その日の試合を担当する審判団からの意見も重要な参考情報となります。
具体的には、グラウンドのコンディション、今後の降雨予報、そして何よりも選手と観客の安全性を総合的に考慮した上で、慎重に決定が下されます。
台風の接近が予測される場合や、局地的な豪雨で天候の急変が考えられるといった極端な状況では、主催球団とNPB(日本野球機構)が連携して判断することもあります。
いずれにせよ、「試合を開催するか否か」という責任は、主催球団が担っているのです。
中止の決定時間はいつ?
雨天中止が発表されるタイミングについては、NPBの規則で「試合開始の何時間前までに」といった明確なルールは定められていません。そのため、状況によって発表時間は大きく異なります。
一般的には、試合開始の2時間から3時間前に判断・発表されるケースが多いとされています。ファンにとっては「もっと早く決めてほしい」と感じるかもしれませんが、ギリギリまで判断を待つのには理由があります。
一つは、天気予報が変わり、試合開始までに雨が止む可能性があるためです。また、優れた排水設備を持つ球場では、多少の雨が上がれば迅速なグラウンド整備によって試合開催が可能になることもあります。
特に屋外球場での試合では、直前まで天候を見極める必要があり、ファンは球団の公式サイトや公式SNSでのこまめな情報確認が欠かせません。
一方で、台風の接近や広範囲にわたる荒天が前日から予測される場合は、観客の移動手段への影響も考慮し、前日や当日の午前中といった早い段階で中止が決定されることもあります。
代替試合はいつ?予備日へのスライドが基本
雨で中止となった試合が、いつどこでやり直されるのかはファンにとって最大の関心事です。最も基本的な振替パターンは、あらかじめ日程に組み込まれている「予備日」にそのままスライドさせる方法です。
プロ野球のシーズン日程は、特に連戦が続く場合、その前後に予備日が設定されていることがあります。
例えば、火曜日から木曜日の3連戦で水曜日の試合が中止になった際、もし金曜日が両チームにとって移動や試合のない日であれば、その金曜日を予備日として振替試合が組まれるのが一般的です。
ただし、この予備日は選手の移動日として設定されていたり、球場が別のイベントで使用されたりする都合もあるため、必ずしも常に利用できるわけではありません。
シーズン序盤であれば比較的スムーズに予備日で消化できますが、梅雨時などに中止が続くと、予備日だけでは対応しきれない状況も発生します。
別カードへの振替やシーズン終盤の試合も
予備日での調整が難しい場合に取られる次善策が、後日、別の開催地で予定されている同一カードに組み込むという方法です。
具体例を挙げると、4月に甲子園球場で予定されていた「阪神対巨人」の試合が中止になったとします。その振替試合を、後日東京ドームで開催される「巨人対阪神」の3連戦の移動日などに1試合追加する形で実施するのです。
この方法は、日程に余裕がない場合や、振替先が天候に左右されないドーム球場である場合に選択されやすいです。ただし、本来のホーム・ビジターの試合数が変わるため、球団の収益やシーズンの公平性を考慮し、慎重に検討されます。
これらの方法でも消化できない試合は、最終的に9月以降のシーズン終盤、ペナントレースが大詰めを迎える時期に、空いている日程へ集中的に組み込まれます。
この時期には、優勝やクライマックスシリーズ進出をかけた重要な試合が続くため、月曜日の試合や過密日程の連戦が組まれることも珍しくありません。
ダブルヘッダーは開催される?
1日に同じチームが同じ球場で2試合を行う「ダブルヘッダー」は、日程を消化するための最終手段の一つとされていますが、現在のプロ野球では極めて稀なケースです。
近年では、新型コロナウイルスの影響で日程が過密になった際に検討されたことはありましたが、最終的に実施には至りませんでした。公式戦で最後にダブルヘッダーが行われたのは1998年まで遡ります。
ダブルヘッダーが避けられる主な理由は、選手の身体にかかる負担が非常に大きいことです。特に投手への影響は計り知れません。加えて、観客の入れ替えや球場運営の複雑さも、実施を困難にしている要因です。したがって、ファンがダブルヘッダーを観戦できる可能性は、現状では限りなく低いと考えられます。
セ・パで違う雨天中止のリスク
雨天中止のリスクは、セ・リーグとパ・リーグで大きな違いがあります。その理由は、本拠地としている球場の種類にあります。
パ・リーグは、以下の通り、全6球団中4球団が天候に左右されないドーム球場を本拠地としています。
リーグ | 球団名 | 本拠地球場 |
---|---|---|
パ・リーグ | 福岡ソフトバンクホークス | 福岡PayPayドーム |
パ・リーグ | 埼玉西武ライオンズ | ベルーナドーム |
パ・リーグ | 北海道日本ハムファイターズ | エスコンフィールドHOKKAIDO |
パ・リーグ | オリックス・バファローズ | 京セラドーム大阪 |
パ・リーグ | 千葉ロッテマリーンズ | ZOZOマリンスタジアム |
パ・リーグ | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 楽天モバイルパーク宮城 |
一方、セ・リーグで本拠地がドーム球場なのは2球団のみです。
リーグ | 球団名 | 本拠地球場 |
---|---|---|
セ・リーグ | 読売ジャイアンツ | 東京ドーム |
セ・リーグ | 中日ドラゴンズ | バンテリンドーム ナゴヤ |
セ・リーグ | 東京ヤクルトスワローズ | 明治神宮野球場 |
セ・リーグ | 横浜DeNAベイスターズ | 横浜スタジアム |
セ・リーグ | 阪神タイガース | 阪神甲子園球場 |
セ・リーグ | 広島東洋カープ | MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島 |
このように、屋外球場を本拠地とするチームが多いセ・リーグは、パ・リーグに比べてシーズンを通して雨天中止のリスクが高くなる傾向にあります。ファンが観戦計画を立てる上で、この違いは一つの参考になるでしょう。
プロ野球が雨天中止!代替試合のチケットと注意点

- チケットは中止になった場合どうなる?
- チケットの払い戻し方法と注意点
- 購入先で違う払い戻しの手順
- 遠征観戦での雨天中止リスク対策
- プロ野球の雨天中止と代替試合チケットの知識
チケットは中止になった場合どうなる?
雨天中止が決定した場合、その日の試合のために購入したチケットは全て「無効」となり、払い戻しの対象となります。
ここで最も注意すべき点は、中止になった試合のチケットを、後日開催される振替試合でそのまま使用することはできないというルールです。
振替試合を観戦したい場合は、改めてその試合のチケットを購入し直す必要があります。この点は意外と誤解されやすいポイントなので、しっかりと覚えておきましょう。
中止が決まった時点で、手元のチケットは「試合を観る権利」ではなく「代金を返金してもらう権利」に変わると理解しておくと分かりやすいです。払い戻しの手続きを忘れないように注意してください。
チケットの払い戻し方法と注意点
雨天中止に伴うチケットの払い戻し方法は、購入した場所や決済方法によって手続きが異なります。
中止が発表されたら、まずは落ち着いて球団の公式サイトやチケットを購入したプレイガイドのウェブサイトを確認し、払い戻しに関する公式の案内を探しましょう。
各球団の公式サイトへのリンクは、NPB公式サイトの球団一覧ページから確認できます。
一般的に、払い戻しの期間は「中止試合の翌日から1週間〜2週間程度」と定められている場合が多いです。
この期間を過ぎてしまうと、いかなる理由があっても払い戻しが受けられなくなるため、速やかに手続きを行うことが大切です。
また、払い戻しの対象となるのは基本的にチケットの券面額のみで、購入時にかかった各種手数料(システム利用料や発券手数料など)は返金の対象外となるケースがほとんどです。この点もあらかじめ理解しておきましょう。
購入先で違う払い戻しの手順
前述の通り、払い戻しの手順は購入方法によって大きく異なります。
ここでは、一般的なパターンをいくつか紹介します。ご自身の状況と照らし合わせ、適切な手続きを確認してください。
購入・決済方法 | チケットの状態 | 払い戻し手続き | 主な注意点 |
---|---|---|---|
クレジットカード決済 | 電子チケットで受取済 | 不要(自動返金) | クレジットカード会社経由で自動的に返金処理が行われる。返金タイミングはカード会社により異なる(約2〜3ヶ月かかる場合も)。 |
クレジットカード決済 | コンビニ等で紙チケットに発券済 | 必要 | チケットを発券した同じ店舗のレジで、チケットと引き換えに現金で払い戻しを受ける。発券店舗以外では手続き不可。 |
コンビニ支払い | コンビニ等で紙チケットに発券済 | 必要 | 支払いおよび発券を行った同じ店舗のレジで、チケットと引き換えに現金で払い戻しを受ける。 |
クレジットカード決済の注意点
自動返金の場合、実際に口座へ返金されるまでには2〜3ヶ月ほど時間がかかることがあります。クレジットカード会社の利用明細で返金(または請求の取り消し)が確認できるまで待ちましょう。
コンビニ発券の注意点
最も注意が必要なのが、コンビニで紙のチケットを発券した場合です。払い戻しは、原則としてチケットを発券した「その店舗」でしか行えません。
例えば、旅行先のセブン-イレブンで発券した場合、払い戻しのためだけに再度その店舗へ行く必要があります。
こうした事態を避けるため、チケットはできるだけ自宅や職場の近くなど、アクセスしやすい店舗で発券することが賢明です。
遠征観戦での雨天中止リスク対策
遠方の球場へ足を運ぶ「遠征観戦」の予定日に雨天中止が重なると、チケット代だけでなく、高額な交通費や宿泊費が無駄になってしまう可能性があります。
このリスクを少しでも減らすために、ファンができる対策がいくつかあります。
最も効果的なのは、観戦計画を立てる段階で、天候に左右されないドーム球場での試合を選ぶことです。これだけで中止の心配はほぼ無くなります。
屋外球場へ遠征する場合は、週間天気予報をこまめにチェックし、キャンセル可能な交通手段や宿泊施設を予約するなど、柔軟に予定を変更できるプランを立てておくと安心です。
そして遠征当日、現地へ向かう前には必ず球団の公式サイトや公式SNSで最新の情報を確認する習慣をつけましょう。
これにより、万が一中止が決定していた場合に、現地で時間を無駄にすることを防げます。
プロ野球の雨天中止と代替試合チケットの知識

- 雨天中止の判断は主催球団(ホームチーム)が行う
- 中止の決定時間は試合開始2〜3時間前が多いが状況による
- 台風などの場合は前日に中止が決まることもある
- 中止試合のチケットは無効となり払い戻しの対象
- 中止試合のチケットで振替試合を観戦することはできない
- 振替試合は新たにチケットの購入が必要
- 振替日程はまず予備日に組まれることが多い
- 予備日がない場合は別カードやシーズン終盤に組まれる
- 現在のプロ野球でダブルヘッダーが行われる可能性は極めて低い
- チケットの払い戻し方法は購入先や決済方法で異なる
- 払い戻し期間は中止翌日から1〜2週間程度なので注意
- コンビニ発券のチケットは発券した店舗でしか払い戻しできない
- 遠征観戦では払い戻しのために遠隔地へ行く事態も考えられる
- ドーム球場を本拠地とする球団が多いパ・リーグは中止が少ない
- 屋外球場が多いセ・リーグは雨天中止のリスクが相対的に高い
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